定年退職後にタクシー運転手になると年金はどうなる?

一般企業を退職してからタクシー運転手になることを考えている方のなかには、年金のことが気になる方もいるでしょう。受給額が減額されるなど不利になることがないかどうか把握したうえで応募したいところですよね。

今回は65歳以上でタクシー運転手になった場合の年金について解説します。

タクシー運転手も65歳から年金を受給できる

年金は通常65歳から受給できますが、タクシー運転手として働いている場合も特段変わる点はありません。10年以上の保険料納付済期間があれば年金を受給できます。

受給できる年金の金額は、国民年金なら40年満額納付で年額795,000円です。国民年金とは別に、これまでの標準報酬月額に応じた厚生年金も受給できます。

また、65歳以上でも70歳までならタクシー運転手として働く期間は、厚生年金に加入して将来受給する年金額を増やすことも可能です。

受給額を減らされる可能性は?

年金を受給しながら働いて収入を得ている方を対象にした在職老齢年金という制度があります。では、制度の主な内容と減額される可能性について見ていきましょう。

一部支給が停止される場合がある

在職老齢年金とは、基本月額と総報酬月額相当額の合計が月額48万円以上の方の厚生年金が一部支給停止される内容の制度です。基本月額は、厚生年金の月額を指し、総報酬月額相当額は毎月の賃金と賞与の12分の1の金額を指します。

支給停止される金額は、48万円を超えた分のうち半分の金額です。50万円と仮定すれば、48万円を超える分は2万円のため、その半分の1万円が支給停止になります。48万円を超えない場合には、減額されることはありません。

セカンドキャリアのタクシー運転手なら対象になる可能性は低い

厚生年金の月額の平均は男性で16万円台です。厚生年金の月額が男性の平均と同額と仮定すれば、毎月の賃金と賞与の12分の1が32万円を超えると減額対象になります。

ただ、タクシー運転手の仕事で毎月の賃金が32万円というのは、それなりに頑張らなければ到達しない金額です。セカンドキャリアとしてタクシー運転手の仕事をしても該当する可能性は低いでしょう。

また、タクシー運転手の仕事は歩合給が取り入れられているため、収入を調整しやすいです。自分のペースで働く分には、年金が減額されてしまう心配はほぼありません。

まとめ

一般企業を定年退職した後にセカンドキャリアとして働いても年金を受給できます。在職老齢年金という制度があり、年金の一部が支給停止される場合もありますが、収入が高い方を対象にしている制度です。セカンドキャリアのタクシー運転手が該当する可能性は低く、減額の心配はなく働けます。